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ムッと顔をしかめた里海は、手を振り上げた。
「なんだよ?アンタ、俺に暴力振るうのか?」
ニヤッと笑う男。
コイツ、私をからかってやがる!!
ホントに嫌な男!!
だが、彼女のその怒りは、店主の予想だにしない提案によっておさめられた。
「ちょ、ちょっとお嬢さん、お兄さん、落ち着きなさって。そんなにこの物件に住みたいのなら、お二方でお借りになられたらよろしいのではないかな?」
「「は?」」
見事にハモッた私に、店主はさらに破顔した。
「ほら、息もピッタリじゃないかい?ささ、契約書にサインせんかぁ!」
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