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「なんで…こんなことになっちゃったんだろう…」
里海の目の前には、今にも崩れ落ちそうな【カモメ荘】というおんぼろアパート。
いや、とにもかくにも部屋を確保できたのは嬉しい。
でも、右隣には…
「アンタ、くよくよしすぎ。うるさいんだけど。」
先程まで言い争っていた美青年。
「それにしても、狭ぇ。うわ!ここなんかきったねー!」
玄関に上がり込んだ男は、埃を払いながら部屋の質を批判する。
里海にしてみれば、十分暮らせる広さだと思うのだが…。
我慢ならない里海は、男に文句を浴びせた。
「アナタこれから住む家にケチ付けすぎ!掃除すれば綺麗になるし、人が暮らせない狭さではないでしょ?!」
フーッと怒った猫のようにいきり立つ里海を、男は気に食わない顔で睨み付けた。
「思ったんだけどさ、アンタ、俺が誰か知らないだろ?」
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