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「…………綺麗だな。」
素直にそう思えた。
「………起きたんだ?」
ハーモニカを吹くのを止め、こちらを見下ろしてきた。
月明かりで微かに照らされ、彼女の顔が見えた。
ドキッと胸が高鳴る。
少し茶色がかったロングヘア、満面の笑み、少し顔を傾げた仕草……。
迂闊にもやられそうになった。
油断したら理性跳ぶぞ?
名前を知らない人とは話さない。
勿論、通常引き込もっている為人と話さないが
何故か彼女となら話せる。
そんな感じがした……。
初対面の献は取りあえず自己紹介をする事にした。
「俺の名前は佐原献って言います。あなたの名前は?」
女の子は戸惑いながらも照れ臭そうに言った。
「私は鈴。鏡山鈴(かがみやまりん)だよ。」
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