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「‥ここは、どこ?」
気が付くと、私は暗い部屋の中でひんやり冷たい床の上に横たわっていた。
体を起こそうとするも上手く体が動かない。
何故だろう?
ぼんやりする頭で考えていると、手首と足首が紐でぐるぐる巻かれていることに気付いた。
たぁっと掛け声と共に、腹筋を使い上半身を起こした。
暗さに慣れてきた目が周りを映す。
静かで、暗い
ゴタゴタと物が置いてあり、まるでどこかの家の物置のような部屋。
その部屋の中に、自分とは他に人が2人横たわっているのがわかった。
少し冷静になった頭が警報を鳴らす。
何かがオカシイ。
何かがチガウ。
きっとこのとき既にわかっていた。
何か事件に巻き込まれたのだ、と。
平和ボケした自分は今までと同じではいられないのだ、と。
ただ、認めるにはまだ自分は幼過ぎて。
まだ認めたくなくて。
混乱していて。
怖くて。
取り敢えず、私は姿勢を変えて這うようにして2人にそっと近付いた。
2人共、女の人だった。
仰向けに寝ている2人の胸は上下に動いている。
ホッと息を吐いた。
死んでたらどうしよう、と少し怖かったから。
そして、やはり手首と足首が紐で巻き付けられているのに気付いて、彼女達も自分と同じ立場なんだろうなと思った。
少し躊躇ったあとに思い切って声をかけた。
1人で考えても何も解決しないし。
この状況をどうにかしなきゃ。
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