暗い部屋の中で

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  懸命に宥めた。 多分私が一番年下なのにとか、私も混乱しているよとか、泣きたいのは一緒だよとか、自己中なことを思いながらも。   漸く彼女達が落ち着いたところで体を起こすのを手伝ってあげて、まずは自己紹介。 だって流石に名前も知らない人たちと行動する気にはなれないし。 少しでも相手のこと知って、少しでも仲良くなれれば、それだけできっとより協力出来るようになると思うし助け合おうと思えると思うから。   「相馬 弥生っていいます。今は19歳、大学1年生で4月から2年生になります。」 こういう状況なのに、普通だなと自分で言っていてなんだかホッとした。 あまりにいつもとかけ離れた事ばかりだったから、少しでも「普通」が欲しかった。   そして他の人の自己紹介も終わり。 髪の短い方の女性は、飯塚 美奈子さん24歳フリーターで、 髪の長い方の女性は、森 真理さん22歳専門学生。   やっぱり自分が一番年下だったなぁ、なんて思ってたら、飯塚さんに見た目は高校生みたいなのに落ち着いてるわよね、と言われた。 そんなことないですよ、と苦笑しながら返した。   童顔で背も低くてもっと下だとよく間違われるけど落ち着いてはいない。 いつもはしゃぎ過ぎて宥められるタイプ。 だから余計年齢も下だと間違われるんだけどね。 でも今自分以外で落ち着いてる人いなかったんだもんしょうがないじゃん‥と軽く泣きそうになった。   そんな私に比べ飯塚さんも、小柄だけど森さんも、スタイルよくて美人で羨ましい。 飯塚さんはハッキリ言うタイプで森さんはおしとやかなタイプかななんて検討つけた。   少し話をしたあとで本題に。 せっかく少し和やかムードになったのが真剣なピリピリした雰囲気になった。 でも時間がないんだからしょうがない。  
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