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飯塚さんはそう叫んだ後ですぐに繕うように、
「…それに、まだ事件に巻き込まれたかなんてわからないでしょ。さっきの男だって危ない人じゃないかもしれないし。」
と、気まずそうに自信なさそうに呟いた。
そして森さんもそれを肯定するようにゆっくり首を立てに振った。
でもきっと、彼女達もわかってる。
こんな暗い部屋に手首足首縛られて、危なくないわけがないことに。
私達は…誘拐、されたんだ。
彼女達はそれを認めたくないだけ。
でもそれじゃあ進まない。
認めたくない。
私も認めたくない。
でも、いつ来るかわからない助けを‥
来ないかもしれない助けを‥
素直に待てるほど、
他人任せにして待てるほど、
私は子供でも大人でもなかった。
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