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この契約書を読み終えた海斗は何かやる瀬ない顔をしていた。
「読んでもらった通り前契約主の仙太郎様は事故でお亡くなりになったので今後私の契約主はあなた橘海斗様になります。よろしいですね。」
「いいわけねぇだろ……」
海斗がボソッと言った。
「はい?」
「いいわけねぇってんだろ!! だいたい信じられるか親父が死んだことも、お袋が別の男と駆け落ちしたのも、信じられるわけねぇだろ!!」
海斗は信じられなかったのではなく信じたくなかった。
二人共共働きしてるとはいえ週に一度手紙をくれた。
あんなに優しかった母が駆け落ちするなんてこと有り得ない……。
父が事故で死ぬなんて認めない……。
そう思った。
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