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「え……」
「あんた一人で俺一人守れるのかよ!!」
そう言って海斗は家を飛び出した。
「海斗様……」
玲香が呼んだ頃にはもう見当たらなかった。
海斗は勢いで家を出ていったのはいいけどどこに行くかは決めてなかった。
父親を失い、母親も失い海斗は絶望のどん底だった。
「これからどうしたらいいんだ……」
グゥ~キュルル
時刻は夕方なので自然にお腹がなる。
「腹減ったな~」
とりあえずお腹が減ったのでコンビニでなにか買おうと思い横断歩道を渡ろうとしていたら、信号は赤なのに猛スピードで自動車が海斗に向かって来た。
海斗がその自動車を見た時玲香の言葉を思い出した。
『次はあなたが狙われるかもしれない』
やっぱり俺狙われるのか、だったらこのまま終わってほしい……。
そう思っていると……。
ガバッ ズザザザザ
玲香が引かれそうになっていた海斗を助けていた。
「大丈夫ですか?海斗様」
「え、はい」
「よかった…」
玲香が不意に笑顔になる。
その笑顔は本当に安心した時の笑顔だった
「なんで、俺を助けたんですか?」
そんなマヌケな質問に玲香は
「フッ、当たり前でしょう。あなたは私の契約主なのですから助けるのは当然でしょう。」
やっぱりこの人はあの契約があるから俺を助けたんだと海斗は思った。
「いや、これは私があなたを助けたいと思ったから助けたと思います」
そんな事を言われつ海斗はちょっと戸惑った。
「海斗様、少しは私の事信じてくれましたか?」
「いや、まだちょっと……」
「私はあなたの事信じてますよ」
そういった後の玲香の顔は純粋無垢な笑顔だった。
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