選ばれた男

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そんな玲香にドキドキしながらも海斗は立ち上がった。 そしたら玲香が海斗に手を差し出して 「帰りましょう、海斗様」 「あぁ」 海斗はこの人なら信じてもいいと思った。 家の帰り道の途中。 「なぁ、その『海斗様』ってのやめてくれない?」 「じゃあ、なんとお呼びしたらよいのですか?」 「うーん、なんか考えといて」 「じゃあ、『マスター』でよろしいですか?」 「な、なんで」 「私はいつも契約主は『~様』か『マスター』ですけど……」 「呼び捨てはダメなの?」 「ダメです! 『マスター』か『海斗様』のどちらかにしてください」 「じゃあ、マスターでいいです」 「わかりました。マスター」 海斗はなにかこそばゆい感じがしたが『海斗様』よりマシだと思った。
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