少しも欠けていない月

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  あぁ今日も一日疲れたなぁって、そんなことでふとゆるんでしまう涙腺にだってきっと一分の理由があるんだ。   愛があたしの中にすっかり溶け込んでしまってから、それを確認するためにはいちいち爪を立てなければいけないことになった。 いつもいつもそうやって治りかけのかさぶたをはがすように求めてしまうのはいつだっていつだってあたしとおんなじ顔した君なんだ。   泣きたいなぁ。不条理なことだって君に許されて、もうどうしようもないなって、これ以上どこにもいけないなぁって、そうやって安心して泣きたいなぁ。   無条件で愛されることのしあわせとおそろしさの中で、ひとりになる前にゆっくりと消えていってしまいたいなぁ。   優しい気持ちはいつも言葉になりそこねて胸の奥でからからに乾いてしまう。 もう少しうまくやれたらなぁ。君は笑うかなぁ。  
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