29歳の私

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寂しさを埋めたくて誰かに抱かれても、私の寂しさは増すだけ。 この歳になって、寂しくないなんて強がりは…自分自身にはしなくなった。 一瞬でも『私を求めている』のを感じたくて……。 結局、熟睡できるはずもなく。早々に起き上がり、シャワーを浴びた。 眠たい目をこすりながら、コーヒーを入れる。 ソファでうとうとしながら、コーヒーとテレビ。 横目に、私に背を向けていた男…原田を捉えている。 そこに生まれる感情は、自己嫌悪しかない。寝ている唇にキスをしたいとも思わない。 愛しく感じない。 8時のアラームで原田が目を覚ます。 「おはよう」 まだ眠そうな原田を急かし、そそくさとホテルを出た。 たまにゆっくりしようよ。なんて愚痴られたけど、私は眠たくて仕方がないのよ。 誰かと寝て、熟睡したのは……いつが最後だっただろうか。 今はただ、邪魔なだけ。 それなのに、一人で居たくないだけで…誘いを受けてしまうのだから。笑うに笑えない。 原田が体目的なのをわかっているのに、本当にそれだけだとがっかりしている。 決して、原田の事は好きではない。 私が好きなのは、私自身だ。
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