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――パシュ!
乾いた音が体育館に響き渡った。
それと同時に体育に黄色い声援が飛び交う。
「きゃあー! 『凛』様ぁ! カッコイイ!」
そんな声援にオレは笑顔で答える。
オレ様の名前は睦月凜(むつきりん)。
自分で言うのはなんだが、『天才』だ。わりぃ、敵を作るつもりはないんだよ、本当に。
テストでは一位しかとったことがないし、スポーツもそうだ。今のシュートを決めたのも当然オレ。今はバスケをしているんだけど、何故か勝手に女子が集まってしまった。
「あのっ、凜くんタオルです!」
「ん? ありがとう」
凜はタオルを渡してきた女の子にニコッと微笑んだ。すると女の子は魂が抜けたようにその場に倒れてしまった。
凜はフッと笑いながらその場を去った。
どんな女なんて笑えばイチコロだ。落ちなかった女は今のところ一人もいない。男だって、大人だってそうだ。笑顔になれば、誰でもオレに親切にしてくれる。……あのウザイ親代わりの親戚は除いて……。
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