13人が本棚に入れています
本棚に追加
まさに黒豹が二本足で、立っているかのようだ。
「マジかよ…。」
俺は絶望感を味あわせられた。
【グルルルゥ…】
奴の目は深紅に染まっており、恐怖感を増大させた。
「こいつは私に任せて下さい。皆さんは光のあるところまで、走ってください。すぐに追いつきますので。」
「ふざけるな!女一人おいて逃げるとか、どれだけ俺等弱虫なんだよ!」
さすがの俺でも、その言葉には怒る。
「あなた方では倒せません。とりあえず詳しい話はあとでしますので、言われた通りにしてください。さもないと皆さん…、死にますよ?」
「「「!?」」」
綾の目付きが変わると共に、化け物以上に殺気を放った。
「…。それじゃ先に行くけど、死ぬなよ?」
「任せて下さい。それでは後ほど…。」
そう綾は言うと、化け物に向かって走り出す。
俺等は背を向け、光のあるところへ走り出した。
お互いの【生】を祈って…。
俺等は走る中、綾の銃声に耳を傾ける。
音が鳴ると同時に、化け物の雄叫びが聞こえる。
【グオォォォォ!!】
そして俺等は離ればなれになってしまう。
綾は一人であんな化け物と戦っている…。
最初のコメントを投稿しよう!