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「要するに…、今までとは見方が変わったって事です。」
平片さんは目を閉じた。
「あのな…、俺がお前らを傷つけると思うか?」
呆れたように平片さんは言った。
俺は真剣な話をしているのに!
「だって!そんな話聞かされたら、分からないじゃないですか!?」
平片さんはまた、真剣な目付きで俺に語るように言った。
今度は蛇のような鋭い目付きじゃない。
「言っておくが、俺はお前らを信用している。俺が困っていた時、野田、助けてくれた時あっただろう?他のみんなもそうだ。だから何か困っている時やピンチの時は、野田や、尾長、若村や田木は俺が助ける。命に代えてもだ。」
俺はただただ、聞いているだけだった。
「いいか?俺の事はどう見ても構わない。だけどこれだけは言わせてくれ。」
「なんですか?」
俺は何故かまだ…、安心していなかった。
「俺はお前らを傷つけない。傷つかせない。」
一瞬、時が止まったようだった。
さっきまで信頼できる人じゃないって、思っていたけど。
今はこの人が信頼できる人だと、再確認した。
そんな時だった。
少し離れた所で物音がした。
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