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息を潜め、身も潜め、平片さんに無理やり付けられた、サバイバルナイフを強く握りしめる。
早く戻ってくる事しか祈れない自分に、無性に腹が立った。
一秒一秒が長く感じる…。
俺は平片さんを待ち続けた。
時間にして約30分立ったころだろうか?
俺には一時間以上に感じられた。
今いる部屋の扉が開く音がした。
「平片…、さん?」
しかし返事がない…。
俺の頭に不安がよぎる。
もしかして…、平片さんじゃない?じゃあ誰なんだ!?
恐る恐る扉の方を見てみると、そこには…、俺が恐れていたゾンビが立ちはだかっていた。
俺の鼓動が一気に加速した。
頭の中が真っ白になっていた。
もうダメだ…、俺一人じゃ何も出来ない…。
俺の鼓動の音が、相手に聞こえるぐらい激しさを増した。
相手を凝視していた俺は、手を見た。
あの時みたいに刃物は持っていない…。
こんな時、平片さんならどうする?
考えろ…、俺。
多分…、相手に気がつかれないように近寄ってから、攻撃するのかな?
それとも、逃げるのかな?
分からない…。
とりあえず、近寄ってみようかな…。
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