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「それじゃ質問させてもらうが…、神無月綾って言う子を知っているかな?」
「綾に会ったの!?」
香奈ちゃんは血相を変えて、平片さんに言った。
「会ってはいないが、伝言を頼まれた。」
「伝言?」
「あぁ。」
「平片さん、俺が伝えていいですか?」
「別にいいが…、どうした?」
「まぁ…、ちょっといいですか?」
俺は少し香奈ちゃんに、席を外すよう頼んだ。
そして平片さんに耳打ちした。
「もしかして、全部しゃべる気ですか?」
「そうだが?」
危なかった…。
もし全部しゃべっていたら、綾と言う子の事を心配してしまうだろう。
「全部話すと、香奈ちゃんが心配しそうなんで、俺に任せて下さい。」
「わかった。頼む。」
俺は、平片さんとの内緒話を終えると、香奈ちゃんのいる方へ歩いた。
「香奈ちゃんお待たせ。」
すると不安な表情で俺の方へ振り向いた。
「ううん、綾はなんて伝言したの?」
俺は心の中を落ち着かせた。
「綾ちゃんなんだけど、香奈ちゃんや他のみんな達と会えるように、頑張ってるんだってさ。だから香奈ちゃんや、友達全員も頑張って欲しいって言ってたよ。」
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