感覚

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「綾は生きてるんだね。」 そう香奈ちゃんが言うと、涙を流していた。 「よかった…。私だけじゃないんだね…。」 俺は香奈ちゃんの頭を軽く撫でた。 すると香奈ちゃんは、俺にすがり付くように泣いた。 一瞬ビックリしたけど、俺はそっと抱きしめた。 「香奈ちゃん。一人じゃないんだよ?」 「うん。」 しばらくして、香奈ちゃんは泣きやんだ。 「ありがとうね。」 そう香奈ちゃんが言うと、俺の腕の中から離れた。 「お取り込み中のところ悪いんだが、ひとついいですか?」 俺は勢い良く振り返ると、平片さんがニヤニヤしながら話しかけてきた。 「とりあえず柊さん、ひとりで今まで居たのか?」 香奈ちゃんの方を見てみると、少し赤面していた。 それを見た俺も少し赤面してしまったのも、言うまでもない。 「あ、うん!今まで一人ぼっちだったよ。」 「それじゃ俺からの提案だが、俺達と一緒に行動しないか?」 「え?いいの?」 香奈ちゃんの表情が明るくなった。 「さっきの行動を見て、そう思ったからな。」 俺と香奈ちゃんはまた赤面。 確かに可愛いし、俺のタイプだけど…。
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