感覚

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そして紙のような物を細めて、棒状な物を作り出すと、瓶の中へ入れた。 先の方だけ薬品につけると、平片さんはライターを取り出し、燃やした。 燃えだすと、炎の色は青色をしていた。 「多分これは使える。」 平片さんはそう言うと、何やら小瓶のような物に移し替えていた。 「俺も手伝いますよ?」 見ていて時間が掛かりそうだったから、俺も手伝うことにした。 「助かる。机の上に手袋が置いてあるから、それをつけてからにしてくれ。」 「平片さんはつけなくていいの?」 「俺はさっきつけた。野田と柊さんが抱き合っている時にな。」 俺はまたも、赤面してしまった。 平片さんは人の弱いところを、突いてくる。 それがこの人の悪いクセだ。 けどそこが面白いんだけどね。 俺は言われたとおりに、手術用らしき手袋をした。 そして平片さんの指示どおり、容器に移していく。 30分間無言で容器に移し終わると、何やらバックのような物を取り出した。 「平片さん、そのバックなんですか?」 「さっき通路で見つけたものだ。何かに使えると思って、拾っておいた。」
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