感覚

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なるほど…、何故平片さんは最初にこの部屋に入りたがっていたか、ようやくわかった。 まず、薬品が沢山並んでいれば、確かに武器は作れる。 しかし、その武器を入れる物がなければ、意味がない…。 考えたな…。 俺が考えている内に、バックの中へ、瓶を入れていく平片さん。 「それじゃあ、お待たせして悪かった。行こうか。」 「ううん、全然待ってないよ。」 「じゃあ香奈ちゃん、俺達は後を付いて行くから、先に進んで。」 香奈ちゃん、俺、平片さんの順番で部屋を出た。 「何かあったら守ってよ?」 香奈ちゃんは振り返り、笑顔で言われた。 その姿を見た俺は頷いた。 後ろにいる平片さんがニヤニヤしているのがわかるけど、そんな事はどうでもいい。 何があっても香奈ちゃんを守らないといけない。 そうして俺達はまだ見ぬ、香奈ちゃんの友達がいる場所へ、歩くことになった。 そして俺達はこれから、とんでもない大事に巻き込まれてしまう。 この世界の行く末は…、いったい誰が仕込んだことかもいずれ分かる事だし。 とにかく前へ進む。 俺達の旅はまだ始まったばかりだった。
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