世界

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すると、天井のスピーカーからは小さな音が鳴り、音が鳴りやんだ。 「若村、知り合いなのか?」 呆然としていた俺に対して、尾長君が質問をぶつけてきた。 「え?…、うん。そうだよ。」 「どういった関係なんですか?」 田木の言葉で、俺の顔がどう映ったのか知るわけないけど、俺は真実を言った。 「幼馴染だよ。」 尾長君と田木は、顔を見合わせた。 「先輩、その子可愛いですか?」 こんな時に不謹慎な!? 俺は田木を睨みつけ、尾長君を見た。 「俺は何も言ってないんですけど。」 尾長君の言葉が終ると同時に、奥の扉が開いた。 そしてそこから出てきたのは…。 「海斗!?」 そこには英子ちゃんの姿があった。 そして俺の姿を見るなり、飛びついて来た。 「どうして海斗がここにいるの?」 「英子ちゃんこそ…。」 俺と英子ちゃんは幼馴染とは言っても、8年以上会っていなかった。 英子ちゃんが転校してしまったからだった。 連絡は手紙のみ。 英子ちゃんの親が厳しくて、パソコンや携帯電話さえも、持たせてもらっていないからだった。
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