13人が本棚に入れています
本棚に追加
すると、天井のスピーカーからは小さな音が鳴り、音が鳴りやんだ。
「若村、知り合いなのか?」
呆然としていた俺に対して、尾長君が質問をぶつけてきた。
「え?…、うん。そうだよ。」
「どういった関係なんですか?」
田木の言葉で、俺の顔がどう映ったのか知るわけないけど、俺は真実を言った。
「幼馴染だよ。」
尾長君と田木は、顔を見合わせた。
「先輩、その子可愛いですか?」
こんな時に不謹慎な!?
俺は田木を睨みつけ、尾長君を見た。
「俺は何も言ってないんですけど。」
尾長君の言葉が終ると同時に、奥の扉が開いた。
そしてそこから出てきたのは…。
「海斗!?」
そこには英子ちゃんの姿があった。
そして俺の姿を見るなり、飛びついて来た。
「どうして海斗がここにいるの?」
「英子ちゃんこそ…。」
俺と英子ちゃんは幼馴染とは言っても、8年以上会っていなかった。
英子ちゃんが転校してしまったからだった。
連絡は手紙のみ。
英子ちゃんの親が厳しくて、パソコンや携帯電話さえも、持たせてもらっていないからだった。
最初のコメントを投稿しよう!