12月1日

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タクシーに乗り少女は病院の名前を告げている 随分となれているようだった  新手の詐欺!? 俺はそんな事を考えながらも大人しくタクシーに乗っていた 走り出して30分ぐらい経った そしたらタクシーは目的地に着いたようだ 俺は先に下ろされ少女が金を払っている 目の前には俺なんか一生これないような住宅が建ち並んでいる その一角に病院が建っていた その中に連れられ入って行く 俺は座らせられ少女が受付票に書き込んでいた 少女の着ている服を見る限り何処かの学校に行っている様だ  良いのかなぁ?? そんな事を考えながらも時は進んだ 俺は医者の診察を受けた 何やらやたらと凄い診察だった  金高そう~ 色んな事が俺の頭の中を駆け抜けた 医者は俺の目を見つめ口を開いた 「えぇ~と…紅…さん?」 「はい…」 「非常に言いにくいのですが…」 俺は緊張してしまい唾を飲んだ ゴクリという音が室内に響いた 「紅さん…あなたの命は…残り1年です…」 医者は俺の命が残り1年だと告げた 突き付けられた現実に対して俺は逃げるしかなかった 「嘘…ですよね?…」 「いえ…残念ながら…」 「冗談は止めて下さいよ…?」 「本当です…あなたの命はあと1年です…」 突き付けられた現実は地獄でしかなかった 受け入れられずに俺は目を背けるしかなかった しかし現実は変わらなかった 「後1年は何をしても変わりません」 「後はあなたの自由にすれば良いと思います」 「ではまた明日来て下さい。詳しい病状はその時に…」 俺はまだ自分の死が受け入れられずボーっとするしかなかった 「大丈夫でしたか…?」 「俺は…大丈夫」 少女の言葉に俺は心配をかけたくなかった為嘘をついた 「そうですか~」 少女は満面の笑顔をこちらに向けた 俺の体調が悪くない事を喜んでくれているらしい 彼女の太陽の様な笑顔に俺は胸がきつくなった 少女は料金を払っている 俺の頭の中には自分は後1年の命という単語が駆け抜けては消え消えては現れ駆け抜けた どうすれば良いかわからず俺は外に出た 時計の針はまだ10時を指していた
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