第一章 ~君から…~

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そんなある日… ガシャーン!! どこからか、何かが割れた音が聞こえてきた。 少し好奇心を抱きながら音のした方へ行ってみたら、ロングヘアーで、黒縁メガネをかけた色白の女性がいた。 どうやら、音を出した原因は彼女のようだ。 「またかね!安藤くん!これで何回花瓶を壊したら気が済むんだ!」 「……」 女性は震えて言葉が出せなくなっていた 「何とか言ったらどうだね!?いつもいつも黙りこくって…!」 「…すみません!部長……責任は僕がとりますから、彼女をあんまり責めないであげて下さい。」 「……まぁ、今回は見逃してやろう。じゃあ…緒方、お前は今日残業していけよ!」 「はい…」 何で俺が彼女をかばったんだ…? 自分で思った事じゃないのに…… ただ一つこれだけは言える。 僕が最初から彼女をかばってあげなければならなかったんだ。 何故かは分からないが…… 昼間のお陰で、僕は残業という課題が残っていた。 僕がパソコンで今月のデータを確認していると、誰かが入ってきた 「失礼します…」 僕が振り向くと、昼間の彼女だった。 「…なんだ君か……脅かさないでくれよ…」 「…昼間はごめんなさい。……かばってくれて…」 彼女はそういうと、コーヒーを差し出した。 「…何か手伝いますか?」 「もう終わるから大丈夫だよ」 10分後、ようやく仕事が片付いたて帰ろうとしたとき、 「…ねぇ!君の事教えてくれない?」 引っ込み思案で、ほとんど喋らない彼女からそんな言葉が出てきた 「…いいよ」 僕は間髪入れず、すぐ答えた 何故OKしたのかは分からないが、これが僕と彼女の始まりだったのかもしれない……
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