第二章~安藤と僕~

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本当は知っていたが、会ったばかりなのに名前で呼ぶのはどうかと思っていた すると彼女は微笑んで、 「安藤奈緒です。改めましてよろしくね…緒方くん」 その時の彼女は、僕が今まで見て来た女性のなかで、一番綺麗だった…… 見た目は、目立たなくて地味で臆病者だった彼女のはずなのに…… それ以来、安藤は以前より増して綺麗になった 髪も茶髪になり、メガネもコンタクトに変えた 前と同じく花瓶を壊しても、部長も口うるさく言わなくなった 彼女を変えたのは、僕だったのかもしれない。 「おい、緒方!」 話しかけてきたのは、同僚の幸村だった 「なんだよ、隼人」 「事務の安藤ってあんなに可愛かったっけ?」 「さぁな……」 「結構女の子って好きな奴が出来るとさ…相手に見て貰おうと綺麗になるもんだぜ!もしかしたら安藤って好きな奴いるんじゃねぇか?」 隼人は笑いながら言った 「お前は恋愛に関してはオタクだな」
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