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その笑顔は、僕がドキッとするほど可愛かった。
「全く男と話したことがないの?」
「一人の人となら話したことが……」
「え!誰!?誰!?」
辺りがざわついた。
「この中にいます…」
すると安藤は椅子から立ち上がり、僕を見つめて言った。
「緒方くん……彼が初めて話した男の人です。」
突然のことに、僕は言葉が浮かばなくなった。
「…だよね…緒方くん?」
「あ、あぁ……そうだよ…」
やっと言葉が出てきた。
「いつから……?」
幸村が凄く驚いている。
「…僕が…花瓶を壊した安藤をかばった日から」
「じゃあ…二人は恋人同士?」
「そんなんじゃねーよ!勝手に決めつけんなよ!」
照れくささのあまりに、つい安藤を傷つけるような事を口走ってしまった。
しかし安藤は平然としながら僕の言葉に付け足すように言った。
「確かにあたしと緒方くんは恋人同士じゃないです。でも…!」
「でも……何?」
幸村が問いかけた。
「でも…緒方くんは…あたしの初恋の人です!」
「え…?」
安藤の言葉は余計僕の心を惑わす………
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