第二章~安藤と僕~

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その笑顔は、僕がドキッとするほど可愛かった。 「全く男と話したことがないの?」 「一人の人となら話したことが……」 「え!誰!?誰!?」 辺りがざわついた。 「この中にいます…」 すると安藤は椅子から立ち上がり、僕を見つめて言った。 「緒方くん……彼が初めて話した男の人です。」 突然のことに、僕は言葉が浮かばなくなった。 「…だよね…緒方くん?」 「あ、あぁ……そうだよ…」 やっと言葉が出てきた。 「いつから……?」 幸村が凄く驚いている。 「…僕が…花瓶を壊した安藤をかばった日から」 「じゃあ…二人は恋人同士?」 「そんなんじゃねーよ!勝手に決めつけんなよ!」 照れくささのあまりに、つい安藤を傷つけるような事を口走ってしまった。 しかし安藤は平然としながら僕の言葉に付け足すように言った。 「確かにあたしと緒方くんは恋人同士じゃないです。でも…!」 「でも……何?」 幸村が問いかけた。 「でも…緒方くんは…あたしの初恋の人です!」 「え…?」 安藤の言葉は余計僕の心を惑わす………
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