序章

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フロントで百人程の人間が辺りを忙しそうに歩き回っていた。 克也は事前に教えられた通り、受付に向かってどこへ行けばいいか尋ねた。 「あの~、すいません。」 すると受付の女性は愛想よく答えた。 「おはようございます。どうされましたか?」 「今日から入社するんですが、どこへ行けばいいんでしょうか?」 「………。」 受付の女性は間をおいて、少し寂しそうに答えた。 「……そうですか。当社では新入社員は一度、皆さん六十六階の編集室に行ってもらうようになっています。あちらのエレベーターをご利用下さい。」 「はい。分かりました。」 克也は受付の女性の寂しそうな表情が気になったが、エレベーターに向かった…。
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