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興の部屋は瞬く間に歓声に溢れた。まあ、何度も言うように興しか聞こえないのだが。
興『どうぞ。座ってよ』
雪『ありがとう。興の部屋は小学生のころ1回来たきりね』
タンス『何?! 一回来た事あんだべか?』
本棚『見覚えないぞ』
ペン『そりゃそうだ。俺らは興が中学生の時に全部買い直されたからな!』
興『あ~! そうだったね。1回来た事あるんだっけ!』
雪『何? 興ったら忘れてたの?』
興『アハハハハハハ……すいません』
雪『それにしても興君の部屋、かなり変わっちゃったね』
ペン『そりゃそうだ』
興『うるさい』
雪『え?』
興『いや、こっちの話。気にしないで』
雪『そういえば覚えてる? 中学生のころ一緒にスケート言った事…』
机『うそ! お前デートしたことあんのかよ!?』
電球『ば~か! 興にそんな度胸あるわけねぇだろ。どうせ親も同席だ』
興『うるさいなぁ! ちょっと黙ってろよ!!』
ーーしまった。つい怒鳴ってしまった。
これで雪は俺の事をドン引きするだろう。しかも最悪の場合…ーー
雪『…………』
興『い、いや。違うんだ! これは……』
雪『私…邪魔しちゃったみたいね。…ごめんね。……急に訪ねちゃって…』
興『いや、違う! 誤解だ!』
雪『さよなら!』
興『待って!』
雪は玄関に走る。興は何とか雪の右腕を掴み、止める事ができた。
午後4時44分 天気は雨だった。
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