御神木

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興『ここが堀内さんの家…』 ピンポーンッ! インターフォン『よお、おめぇがあらゆる物質の声が聞こえるっていう人間か?』 興『ああ。そうだ。堀内さんはいるか?』 インターフォン『うぉー! スゲェ! 俺あんたの言ってる言葉が分かるぜ! マジスゲェ!』 興『堀内さんはいるか?』 インターフォン『ああ? 話は聞いてるぜ! あんたが必要なのはご主人じゃねぇ。鷹のピーすけだろ』 興『ピー…すけ?』 猫1『鷹でピーすけ……』 猫は必死に笑いを堪えている様子が興に見えた。 インターフォン『鷹でピーすけだぜ!? しかも立派なじじぃさ!』 ついに興と猫は吹き出してしまった。 鷹『何がおかしい?』 立派な羽を広げて巨大な鷹が舞い降りてきた。 興『貴方がピーすけさん?』 鷹『その名で呼ぶな、小僧! くちばしでつつかれたいか?』 興『失礼。お前が怪しい車をみたのは本当か?』 鷹『口に気をつけろ、小僧! 私に馴々しくするな!』 興『見たかと聞いているんだ!』 鷹『貴様、その口を二度と使えないようにしてやる!』 鷹は大きな羽を広げ、くちばしを大きく開けた。 『よしな!あんた!』 鷹1『お前…』 鷹2『彼は連れ去られた女の子を助けようとしてんだよ!? そんなことぐらい教えてあげな!』 鷹1『しかし、こいつは私に馴々しく…』 鷹2『うるさいねぇ!グチグチ言ってないで早く教えな! じゃないとあんたの目玉をえぐりだすよ!?』 鷹1『はう! 分かったよ。確かに怪しい車は藤ヶ岳山の頂上に向かったよ!』 興『その車に女の子は乗っていなかったか?』 鷹1『ああ。たしか藍色の髪をした女の子が後部座席に横になっていたなぁ』 興『雪ちゃんだ!』 興は確信した。そして藤ヶ岳山山頂に突撃することを決心したのであった。
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