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2人は神木の前に来ていた。
『お~っと! その子を返してもらおうか?!』
背後からの声。
興は雪をかばいながらすぐさま振り返る。
興『誰だ!?』
『その子を誘拐して身代金をごっそりもらう泥棒さんだよ』
興『貴様らが…許さないぞ!』
雪『興…』
興の服を握っていた手がより強く握られる。体は震えているのが体に伝わってきた。
泥棒1『ここを知られたからには生きて返すわけには行かないなぁ』
泥棒2『死んでもらうしかないなぁ!』
泥棒達の手には銀に光る物質が見えた。
ナイフ1『ケケケッ! ざまあみろ!』
ナイフ2『悪く思うなよ。これが仕事なんだ』
小石『おい! 刺したら承知しないぞ!』
ナイフ1『だまりな、小石風情が!』
雪『興を刺したら許さないわよ!』
泥棒2『貴様らに何ができるんだよ!』
興『……それはどうかな?』
泥棒1『なに?』
泥棒達は怪訝に思い、辺りを見回した。
そして泥棒たちは言葉をなくす。藤ヶ岳山中の動物達が泥棒達を取り囲んでいたのだ。
泥棒2『お、おい! どうなってんだ?!』
鹿『おい! そこのナイフ! 興達を刺したら糞まみれにするぞ!』
ナイフ1『えっ!?』
猪『そんで川に沈めてさびさびにするぞ!』
ナイフ2『え~! それは…』
鳶『全く最近の金属はなってないわね!』
数々の動物達に脅しを言われたナイフはすっかり落ち込んで先が曲がってしまった。
泥棒1『おい、どういうことだ!?』
泥棒2『先が曲がっちまった! これじゃあ使いもんにならねぇ!』
ナイフ1『すみません。すみません。人を殺めたりしません』
ナイフ2『だから糞まみれはやめて』
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