1163人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日、彼は学校で雪に声をかけた。
日当たり良好。風向良好。完璧な日だった。今しかない。多分。
興『や、やあ。雪ちゃん!』
いつも軽々しく話しているのだが、意識をするとすごく緊張してくる。
人間とはそういうものである。
雪『な~に? 興?』
笑顔がいつもより輝いて見える。
彼女の一つ一つの行動がキュンッと胸をつつく。
興『いや~、たいした用事じゃないんだけどさぁ、あの~、き、ききききょう…今日…』
雪『今日? なに?』
興『き、きききき今日…………いい天気だね!アハッ、アハハハ』
と、そのまま校門へ直行。
雪『?』
校門『ヘタレ』
興『ヘタレ言うな』
烏2『ケッ! ヘタレが
!』
犬1『ヘタレの極みだな』
興『どうせ…俺には無理なんだ』
興はガックシと肩を落とし、どよどよと湿りに湿った空気を体中の穴という穴から放出する。
最初のコメントを投稿しよう!