計画実行

3/4
前へ
/238ページ
次へ
翌日、彼は学校で雪に声をかけた。 日当たり良好。風向良好。完璧な日だった。今しかない。多分。 興『や、やあ。雪ちゃん!』 いつも軽々しく話しているのだが、意識をするとすごく緊張してくる。 人間とはそういうものである。 雪『な~に? 興?』 笑顔がいつもより輝いて見える。 彼女の一つ一つの行動がキュンッと胸をつつく。 興『いや~、たいした用事じゃないんだけどさぁ、あの~、き、ききききょう…今日…』 雪『今日? なに?』 興『き、きききき今日…………いい天気だね!アハッ、アハハハ』 と、そのまま校門へ直行。 雪『?』 校門『ヘタレ』 興『ヘタレ言うな』 烏2『ケッ! ヘタレが !』 犬1『ヘタレの極みだな』 興『どうせ…俺には無理なんだ』 興はガックシと肩を落とし、どよどよと湿りに湿った空気を体中の穴という穴から放出する。
/238ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1163人が本棚に入れています
本棚に追加