テレビ越しの君

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「付き合って下さい…俺と」 俺はそう言った。 滅多に赤くならない顔を赤くして。 そして彼女は言った。 「…はい//」と。 そんな純粋だった俺達は、この前の記念日で2年11ヶ月が経った。 だが、俺達の生活は相変わらずで…ほんとあまり変わってない。 ただ変わったのは気持ちがあの時より衰えているということ。 いけない感情だろうけど…ね。 ―ズコッズコズコッズッ 「って!何やってるん?!七海!」 今まで普通に掃除をしてくれていた掃除機が無理矢理な音を出した。 理由は簡単、七海が何かビッグなものを吸い込ませているから…。 「え~?掃除~!何か大きいよ―!」 掃除機の音に邪魔されながら七海は負けないように大声を出した。 掃除機止めればいいのに… 俺は立ち上がり、スイッチを切った。 ―ガタ 音がしたほうに目を向けると、俺は目を見開いた。 「目飛び出てるよ♪漫画チック♪」 「…!俺の…レディ…!」 俺は七海の天然を完全無視し、今ある絶望に肩を震わせた 悲しいことに掃除機の先っぽから落ちたのは、魔法使い ミリリのフィギュアだった。
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