寵愛。

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手を取った殺那。 グラッと身体が地面に傾く。 「っ…ったく、お前は危なかっしくて目が離せねぇな」 温かく広い胸。 愛しい人は私を軽々と受け止めていた。 また愛しい人は柔らかく笑う。 ワタシは何故か安心する。 「まあ、仕方ないな。病み上がりだからな」 フッと得意げに愛しい人は笑いワタシの身体は浮く。 「お前、軽過ぎだ。また痩せたんじゃねぇのか」 と言う、愛しい人の整端過ぎる顔は目と鼻の先。 強い瞳が柔らかく笑う。 お姫様抱っこで抱き抱えられたワタシは愛しい人の首に手を回す。 これはこの愛しい人から教えられた事。 戸惑うワタシに教えてくれた。 私は愛しい人を真っ直ぐ瞳を見て唇を動かした。
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