仁王雅治

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「雅治ってさ」 彼女は突然思い出したように言った。 そして俺を見て視線が重なる。 「髪下ろすと、雰囲気変わるよね」 と言い髪を下ろした俺をジロジロと見る彼女。 そんな彼女の反応が可笑しくて 少し笑ってしまう。 けど彼女はそれに構うこと無く珍しい動物でも見るかのように俺を見ている。 余りにも彼女が見詰めて来るので俺は堪えきれず彼女に訊う。 「どう変わるんじゃ?」 俺がそう言うと彼女は『んー』と考えているような声を上げて俺を見た。 その瞳は少し不安げな感じがして直ぐに言おうか言わないか迷っているのが判った。 「大丈夫じゃから。言ってみんさい」 すると彼女は俺を見て、少し考えた後、唇を動かした。
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