仁王雅治

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「なあ」 「ん」 「撫でてくれんか?」 俺がそう言うと彼女はクスクスと笑いながら。 「雅治って猫みたい」 その言葉と同時に頭に触れる彼女の手、髪を梳くように指に遊ばせて、触れるように撫でる。 「雅治」 「ん?」 「意外に、雅治は甘えたさんだね」 「ええじゃろ。お前さんにだけなんじゃから」 そう言い返す俺にクスクスと笑う彼女。 「けど、私はどんな雅治でも好きだよ」 「銀髪じゃなくても黒髪でも茶髪でも」 「悪人面でも甘えたさんでも」 「全部、好き」 そう言って彼女は俺を抱き締める。 同時に香る彼女の匂い。 伝わる体温。 「有り難う」 と言い俺は目を細めて、彼女の言葉が嬉しく、彼女を愛おしく思う。 暫く彼女に撫でて貰ったら、ある事を思った。
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