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「こっちに来てくれんかのぅ」
俺がそう言うと彼女は指に絡ませて、撫でている手を止めて
「ん」
と短く返事をして、彼女は俺の前に来てくれる。
そして、俺の前に立つ彼女を引き寄せ、抱き締めた。
「好きじゃ」
「うん。私も好き」
ぎゅっと彼女を抱き締める腕に自然と力が籠もる。
それに答えるように俺を抱き締める彼女の腕。
「ホント好いとうよ」
「私も」
そして彼女は顔を上げて、俺を見詰めてクスクスと笑った。
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