32人が本棚に入れています
本棚に追加
“カーン、カーン、カーン、カーン”
電車が来るのだろう……。
自分が線路の上に立っていることに気付き、すぐに出ようとする。
「動かない…?」
体がまるで金縛りにでもあってるように、全く動かない。
「嘘だろ…? 死ぬ!?」
そう思った。
だが、それは決して間違いじゃない。
当然、電車が来れば跳ねられて死ぬ……。
もし運が良くても大怪我は免れない。
そして、電車が来る。
「マジ…かよ…」
何度も動こうとするが、体は全く動かなかった。
そして……。
“グシャッ”
辺りに、大きな卵が割れたような音がした。
そう、これは序章。
これからが始まる物語の。
ほんの、序章――――。
最初のコメントを投稿しよう!