日常

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老人の傍にいた少女により邸に辿り着いた暁美。老人はさっさと歩いていくので、その後を追いかけていった。 「さて・・・」 邸の奥にある部屋に入った暁美。老人の傍には男だけがいた。さっきの少女は老人に頼み事を頼まれたので、それをやっているためここにはいない。 「わしはこの邸の主、安倍晴明と言います」 「し、篠原暁美です」 安倍晴明といえば、平安時代に活躍した陰陽師だ。その人に会えて嬉しいのと、過去に来たというのが分かった衝撃があったので、言葉が震えてしまった。 「では暁美殿、どのようにしてここへ?」 「この時代から未来のことですが、私のいた所では、曰く付きの桜がありました。それに近つぐと桜の花びらが景色を覆い、収まると見知らぬ場所に着いてしまったのです」 自分に起きた事を簡潔に説明した暁美。やはり信じられないのか、不審そうな表情をしている。 こういうのもなんだが、簡単に信じてもらえるとは思っていない。未来から来たという戯言を信じるとは到底思わないし、思えない。
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