日常

15/16
前へ
/98ページ
次へ
天一の案内により、室に辿り着いた暁美。晴明に促されて大人しく室に入ると、9歳くらいの少年と30代後半くらいの夫婦がいた。 「暁美殿、突然で申し訳ありませんが、わしらの家族になっていただきます」 「御老体!?それは・・・」 「それじゃあ、この人が俺の姉上になるんですよね?」 暁美が何かを言おうとしたのだが、少年の声によって消されてしまった。晴明が少年の言葉を肯定すると、少年が暁美に抱きついた。 「やったぁ!姉上が出来た!」 少年が嬉しそうに喜ぶので、暁美は動揺してしまった。どこの誰とは分からないのに、どうしてこうも喜べれるのだろうか・・・。 「ふぉふぉふぉ、後はそなただけじゃ」 後は暁美だけだというので、もう納得してもらっているというのだろうか。手際が良すぎるような気がするのは気のせいだろうか? 「・・・暁美です、よろしくお願いします」 こうして安倍家の家族となったのであった。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

430人が本棚に入れています
本棚に追加