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天一の案内により、室に辿り着いた暁美。晴明に促されて大人しく室に入ると、9歳くらいの少年と30代後半くらいの夫婦がいた。
「暁美殿、突然で申し訳ありませんが、わしらの家族になっていただきます」
「御老体!?それは・・・」
「それじゃあ、この人が俺の姉上になるんですよね?」
暁美が何かを言おうとしたのだが、少年の声によって消されてしまった。晴明が少年の言葉を肯定すると、少年が暁美に抱きついた。
「やったぁ!姉上が出来た!」
少年が嬉しそうに喜ぶので、暁美は動揺してしまった。どこの誰とは分からないのに、どうしてこうも喜べれるのだろうか・・・。
「ふぉふぉふぉ、後はそなただけじゃ」
後は暁美だけだというので、もう納得してもらっているというのだろうか。手際が良すぎるような気がするのは気のせいだろうか?
「・・・暁美です、よろしくお願いします」
こうして安倍家の家族となったのであった。
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