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貴船の神社から出た暁美は、これからどうするか迷っていた。
ここがどこなのかがいまいち分かっていないため、どこへ行けばいいのかが分からない。
「うわぁぁぁっ!」
どこからか叫び声が聞こえた。余韻が残っているので、場所は分かると急いで向かった。
走って向かったので汗をかいた。ブレザーを脱ぎたかったのだが、それすら面倒だ。
辿り着くと、腰のぬかした男の前に巨大というのか、大きな蜘蛛がいた。あまりの大きさに驚いた。
「うわぁ~、大きいなぁ」
暁美のつぶやいた声が聞こえたのか、大蜘蛛がこちらを見た。男はぐったりと地面に倒れてしまった。
「おい、こら。寝るな」
気絶してしまった男を揺さぶって起こそうとしたのだが、まったく起きない。しょうがないので大蜘蛛と向かい合った。
「・・・あれ?」
大蜘蛛から放たれる気が高淤の気と似ているような気がした。
『そなたは・・・』
「あ、しゃべった」
蜘蛛がしゃべったというのに、まったく慌てるような様子がない。さすがに肝が据わりすぎている。
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