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男が怒っている事が分かったので、それを知っていながらも余計に怒りを煽った。
「子供相手にキレるだなんてまたまだなんじゃないの?」
「小娘が・・・!」
「眉間にしわがよってるよ。いつか消えなくなるんじゃない?」
不当な言い掛かり(?)を受けている男なのだが、暁美は遠慮容赦無しで言った。これにより、さすがに男の額に青筋が浮かんでいるようにみえる。
「あー、そこまでじゃ」
男の後ろから老人の声が聞こえたので、2人が見た。そこには瓢々とした老人と、8歳くらいの少女がいた。老人達と知り合いなのか、男が舌打ちをして顔をそむけた。
「何用ですか、御老体」
言葉は丁寧なのだが、不機嫌さが出ているので老人が苦笑している。少女は不安そうに見ている。
「我が邸に来てもらえますかな?」
「いいのですか?私のような者を招いても」
こういうのをあれだが、奇妙な格好をしている子供を普通は邸を招くことはない、と思っているので怪しく思ってしまっている。
「お気になさらないで下さい」
そういうことがあったが、暁美は老人の後を大人しくついていくことにした。
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