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「ひとまず着いてきてくれるかなァ?此処じゃ目立ちすぎる。」
確かに、此処は駅のホームで目立ちすぎる。
それに着いて行かなければ…來が!
「あぁ。」
「ほんと、物分かりいいね。好きだよ、そういう子。」
「うっせぇ、キモいんだよ。」
その言葉を聞くや否や体を翻し改札へと歩いていく男。
そして、その背中についていく遙。
後ろ手で携帯を操作し、來宛てのメールを作成し送信―。
(來、お願い…大人しく、してて。)
「ッ!?」
胸ポケットに入れていた携帯のバイブが振動する。
LEDの具合からして―――…
「遙ッ!?」
まさか何かあったのだろうか。
一旦バイクを隅に置き急いで携帯を開く。
【来ないで】
たった四文字の短い文。
遙はいつも最低二行文を書く。それに感嘆付や句読点などもない。
つまりは急いで打たれた文だ。
犯人がうったとすれば、
拒絶するような言葉は書かないだろう。
「くそっ!」
接触してしまった。
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