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一方その頃―――…
「ッ、早く電話かけてこいよ…。」
駅に着いた來はバイクに座ったまま貧乏揺すりをしていた。
右手に携帯を持ち、音量もマックスにして。
周りの視線は來に集中している。
真っ赤な髪の綺麗な男が大型バイクに跨がりながら貧乏揺すりをして不機嫌まっしぐらなのだ。
奇妙な物を見るかのような視線を送られている。
だが、そんなの気にしてる場合ではない。
遙の安全が心配だ。
【ー♪!】
「ッ!?」
(キタ!)
大音量で鳴く携帯。
素早く開き、通話ボタンを押す。
「…ッ、もしもし…」
『捺夜遙は預かった。』
「目的は?」
『紅花学園で待っている。』
「質問に答えろや!!」
プツリと途切れる通話。
思わず携帯を投げ出したい気分になるが制止する。
まわりの視線が痛い。
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