拉致

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『紅花学園で待っている。』 電話口の相手は確かにそう言っていた。 紅花学園といえば今年廃校になったばかりの私立学校だ。 此処からならバイクで10分ほどで行けるはずだ。 「……。」 何が起こるか分からない。 目的を聞いても分からないのだ。 携帯の着信は相変わらず公衆電話からのもの。 かけ直しても分からないだろう。 だったら―――… 「行くしかねぇ。」 ヘルメットを再びかぶり、エンジンをかける。 目指すは紅花学園。  
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