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「薬の量、間違っちゃってたらゴメンねェー?」
「ッ、ざけんじゃねぇ!」
クスクスと気味の悪い笑みを浮かべる男に來は怒鳴る。
「この場所…」
「?」
「よく、来れたね…?」
「ッ…」
瞬間、來の顔から血の気が引く。
白い肌が更に、青白く…
「可愛いねぇ、來サマ?」
「ッ、ぁ…」
すとん、とマットから降りる男はスタスタと來に近づいてくる。
反射的に後ろに下がる來だが、気付けば壁。
もう後がない。
「懐かしいでしょ、此処。」
「ッ、何で…」
「知ってんのか?だって…
俺が槙だから。」
槙、という名前に來の瞳から涙が零れる。
「ッ、ぁ、ぁあああああああああ!!!」
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