合格通知

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勉強も運動も得意ではなく、体が弱かったため、幼少の頃はいつもイジメの対象になった。 誰にも嫌われたくない…。 香苗は育った環境かいつの間にか、自分の気持ちを押し殺す癖がついていた。 父は家族に無頓着で飲み明かし、母は遅くまで働きにでていて いつの間にか、両親との会話すら消えていた。 中学に上がってからも、特に状況は変わらなかった。 プライドが高かったのか。なんなのか。 毎日学校に行くのは本当に苦しかったが、 休みすぎたらカンづかれるし、誰にも面倒はかけられないと 苦しいという気持ちを 頑なに心に閉ざしていた。 それでも、本当は気づいて欲しかった。 だから見てもらえるように、いい子でいようとした。 だが、いつの間にか彼女に変化が生じていた。 表面上は人に従い、うまく合わせるいい子。 できるだけ好かれようとした。 しかし 確実に人格は歪みだしていた。 気がつけばいじめっ子の不幸を嘲笑う。 彼女の心はコントロールが難しくなっていた。
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