届かなかった手のひら(泰衡→九郎/暗)

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    手に入らなくても構わなかった ただ、側にいられたらと願った   もう、叶う事は無いが 素直に打ち明けていれば、良かったなんて後悔         赤い雫が雪を染めていく 嗚呼、何故九郎は泣いているのか   「バ…カ…が、泣くな…」   「っ…!泰…衡!」     何故、未だに強がって笑う必要があった? もう、涙は止まらない   「っ…は…平泉は、頼んだ」   「お前が…お前が願った国だろう…!じぶ…でっ…」   息が止まって逝く、ああどうか この人の旅立ちをとめて下さい       強がりで、誇り高い この人が愛しいのです       「お前がいなければ…ダメなんだっ…!」     END
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