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ある病院に入院中のAさんが、夜中にトイレに起きたときのことです。
トイレから出て自分の病室へ戻ろうと廊下を歩いていると、廊下のずっと先からガラガラと物凄い音が近付いてきます。
なんだろうと見ると、薬の入った瓶やピンセットを乗せた大きなワゴンを、看護婦が押しながら走ってくるところでした。
ところが・・・
その様子が普通ではないのです
静まりかえった病院内を、明かりもつけずに不自然に騒音をたてながら物凄い形相でこちらに近付いてきます。
その看護婦を見ているうちに、Aさんはとてつもない恐怖に襲われました。
あれは生きてる人間じゃないぞ。とにかくやりすごせればいいと思い、引き返して今出てきたばかりのトイレに駆け込みました。
それでも不安だったので、入口から4番目の一番奧の個室にこもって鍵をかけ、看護婦が通り過ぎるのを待つことにしたのです。
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