第一章 空っぽの席

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入学式が終えると教室で沢山のプリントを配られたり、学校内の説明等で忙しかった。 ただ一つ気になる事。 私の右隣の人、朝からずっといなくて 何だか切なくなった。 名前なんて言うのかな どんな人なのかな まだ会ったことないのに、凄く気になる。 いや、会ったことないから、気になるのかも知れない。 高校生になると、恋愛やらバイトやら、一気に夢が広がるって言うけど。 私は恋愛とか全然した事なくて、中学校の時もずっと桃と一緒にいた。 恋愛なんて考えた事なかった。 多分、これからもずっと、桃と仲良く高校生活送って、学校帰りに喫茶店よったりだとか、二人でバイトして、中学生活とあまり変わらなくて。 でも、それが自分には良かったのかなとか思った。 でも、桃も彼氏とか出来たりしたら、離れていっちゃうのかな… そう思ったら、何だか悲しくなった。 「れーんーか??聞いてますー??」 「ん??え!?なに!?」 「だ~か~ら、この後、どっか行く~??」 その言葉に少し安心した。暫くは恋愛とかなさそうだなって。 「うん!!行く!!カラオケとかよくない!?」 「あ、いいね♪じゃぁカラオケに決まり★」 その日は、桃とカラオケして家に帰った。
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