第一章 空っぽの席

4/8
前へ
/258ページ
次へ
桃は毎朝、家に来てくれた。 中学校の時と変わらず、毎日一緒に学校行って、どっか遊んで帰ったりした。 そんな毎日で安心した自分がいたんだ。 友達も出来て、クラスも馴染んで来た頃、桃と喧嘩した。 「ねぇ、恋歌。」 「なーに??」 「あたし、今日から一緒に帰れないし、学校も一緒に行けなくなった!」 「え、何で!?」 「彼氏出来たんだ♪」 「え、桃好きな人いたの!?」 「んー、いなかったけど、今さっき告白されて付き合う事にした★ちょーイケメンだよー♪後で紹介すんね♪」 「な、なにそれ…」 「え、なに、友達に彼氏が出来たってのに祝福してくんないの!?意味分かんない!!」 「もーいい」 全然好きじゃない人に告白されて、付き合って、今日から一緒に帰れないって… それってさっき告白されて付き合った人と帰るからって事でしょ!? こっちの方が意味分かんないよ。 何年も一緒だったのに、思い出ってそんな事で消えちゃうの!? 数分前に知り合った人に、桃を取られた気がして、無性に腹が立った。 私の方がずっとずっと、桃の事知ってるのに。 ずっとずっと仲良いのに。 なんでよ。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

84人が本棚に入れています
本棚に追加