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土の中
ずっとひたすら
暖かい風が吹くのを待っている
日の光を浴びることなく
目を開いた視界に映る黒の世界
初めて目にするモノ全て
気にしていられなくて
毎日 毎日
生きる為の闘いが待っている
縁に囲まれて
そっと
その見えない下
此処にいるさ
陽の光
土を伝ってこの身を包む温もり
今の僕は
時間(トキ)を隔てて
君達とお別れをするよ
此処を出る時が来た
そうこの身が告げている
色ある世界
この目でこの肌で感じてくるよ
僕を包む温もり
探しに
本能に従って上へ上へ
昇って空高く
真新しく
フィルムのように流れてく景色
敵だらけのこの世界で
見た
赤褐色
揺れ動くオブジェ
鮮やかな緑
周りを気にしながら
広く
果てない
此の地に魅せられて
まだまだ上へと
誰かが僕の中で繰り返す
考える訳でもなく
備わる知識
流れに身を任せ
その時をぐっと静かに待つ
暖かさが増し
射し込む光
微かに感じ
殻を破る時が来た
背中には透き通る
輝き放つ 二つの翼
迫り来る限りある此ノ命
僕が最後に昇ったのは
言葉にならない程の美しさ
全てを映すレンズは
濁りを知らず清らしく
短く
儚い
旅
夏に響かせる音色
風に乗せ
あなたは蒼く 遠く‥‥
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