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今日も彼は私に抱きついている。
背は私より大きくて、手や足の大きさも負ける。
考え方だって私より大人だし、何より、いろんな人によく信頼されてる。
なのに、心だけは人一倍弱い。
「毎日不安なんだ」
そう言った彼の瞳は、揺れていて。
「これからの未来の事とか……君の事とか……」
毎日毎日変わらない不安を、
毎日毎日私に吐いて。
「恐いんだ」
そんな彼を見て、私に何か出来る事はないのかって探して見るけど、結局何も無くて。
いつも同じことの繰り返し。
「私が側にいるよ?……いつでも抱きしめてあげるから」
耳元で囁いて抱き締めると、小さく「あぁ……」と呟いて静かになる。
そんな彼が、すごく愛しくて。
簡単に崩れてしまうであろうそのヨワイ心を、これからもずっと支えてあげたくて。
もっともっと、ツヨク、抱き締める。
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